6月 短歌自選

短歌

博士論文で忙しかったので以前つくったものを推敲したものが多めです。


肘にまで流れる果汁を舐めようと悶えるうちにしぼみゆく桃

ペンギンの足音がする青い青い市民プールの底に抱きつく

CTが写すわたしの断面は見るに耐えないくらげのかたまり

雨粒は葉っぱに落ちれば弾かれる 紫陽花はもう飽きてしまった

はつなつの溶連菌に冒されて空気は微熱を吸いつくしている